歯科医療情報推進機構は、歯科医院審査・認証する、初の第三者評価機関です。

かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)とは?

か強診

 3歳児のう蝕歯数は、平成1年が平均2.90本であったのに対し、平成25年には平均0.63本へと減少しています。また、75歳~79歳の現在歯数は平均15.6本と確実に増加しています。
 反面、歯周病罹患率は75歳以上で顕著に増加傾向にあり、これらのことからも、年齢など各ライフステージに応じたきめ細かな歯科医療の提供が望まれます。
 かかりつけ歯科医の有無と、新しいう蝕の発生や現在歯数には、有意に関連があることが分析・調査から明らかになってきており、生涯を通じた歯科疾患の重症化を予防するため、、平成28年度診療報酬改定で新設されたのが、かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所です。

かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)届出済歯科医院は次の基準を満たしています。

(1)歯科医師が複数名配置されていること又は歯科医師及び歯科衛生士が
それぞれ1名以上配置されていること。
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(2)次のいずれにも該当すること。

ア
過去1年間に歯周病安定期治療(Ⅰ)又は歯周病安定期治療(Ⅱ)をあわせて30回以上算定していること。
イ
過去1年間にフッ化物歯面塗布処置又は歯科疾患管理料のエナメル質初期う蝕管理加算をあわせて10 回以上算定していること。
ウ
クラウン・ブリッジ維持管理料を算定する旨を届け出ていること。
エ
歯科点数表の初診料の注1に規定する施設基準を届け出ていること。
(3)過去1年間に歯科訪問診療1若しくは歯科訪問診療2の算定回数又は連携する在宅療養支援歯科診療所1若しくは在宅療養支援歯科診療所2に依頼した歯科訪問診療の回数があわせて5回以上であること。
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(4)過去1年間に診療情報提供料又は診療情報連携共有料をあわせて5回以上算定している実績があること。
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(5)当該医療機関に、歯科疾患の重症化予防に資する継続管理に関する研修(口腔機能の管理を含むものであること)、高齢者の心身の特性及び緊急時対応等の適切な研修を修了した歯科医師が1名以上在籍していること。なお、既に受講した研修が要件の一部を満たしている場合には、不足する要件を補足する研修を受講することでも差し支えない。
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(6)診療における偶発症等緊急時に円滑な対応ができるよう、別の保険医療機関との事前の連携体制が確保されていること。ただし、医科歯科併設の診療所にあっては、当該保険医療機関の医科診療科との連携体制が確保されている場合は、この限りではない。
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(7)当該診療所において歯科訪問診療を行う患者に対し、迅速に歯科訪問診療が可能な歯科医師をあらかじめ指定するとともに、当該担当医名、診療可能日、緊急時の注意事項等について、事前に患者又は家族に対して説明の上、文書により提供していること。
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(8)(5)に掲げる歯科医師が、以下の項目のうち、3つ以上に該当すること。

ア
過去1年間に、居宅療養管理指導を提供した実績があること。
イ
地域ケア会議に年1回以上出席していること。
ウ
介護認定審査会の委員の経験を有すること。
エ
在宅医療に関するサービス担当者会議や病院・介護保険施設等で実施される多職種連携に係る会議等に年1回以上出席していること。
オ
過去1年間に、栄養サポートチーム等連携加算1又は栄養サポートチーム連携加算2を算定した実績があること。
カ
在宅医療又は介護に関する研修を受講していること。
キ
過去1年間に、退院時共同指導料1、退院時共同指導料2、退院前在宅療養指導管理料、在宅患者連携指導料又は在宅患者緊急時等カンファレンス料を算定した実績があること。
ク
認知症対応力向上研修等、認知症に関する研修を受講していること。
ケ
自治体が実施する事業に協力していること。
コ
学校校医等に就任していること。
サ
過去1年間に、歯科診療特別対応加算又は初診時歯科診療導入加算を算定した実績があること。
(9)歯科用吸引装置等により、歯科ユニット毎に歯の切削や義歯の調整、歯冠補綴物の調整
時等に飛散する細かな物質を吸引できる環境を確保していること。
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(10)患者にとって安心で安全な歯科医療環境の提供を行うにつき次の十分な装置・器具等を有していること。

かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所はつぎの基準を満たしています。かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所の施設基準11

なお、自動体外式除細動器(AED)については保有していることがわかる院内掲示を行っていることが望ましい。